てんどうちひろの介護日記

父の介護を綴りました

衝突

在宅介護当初より心配していたことが現実となる。

妄言:デイサービスへ出行く前、引き出しをごそごそしていることが多い。どうも下した貯金(10万)を隠しているつもりなようである。それ自体は構わないのだがデイサービスから帰ってきての第一声がカミさんに対して「預けたお金を返してくれ」ということで初めは毎日、言い争いになっていた。父曰く「出かける前にお金をカミさんに預けた。」という。認識がすり替わっているのである。当然ながらカミさんは「知らない」と応じ言い争いになり、「引き出しとかないですか?」と探してもらうと見つかるので静かになってテレビを見始める。ということが続いた。先の朝の行動を偶然見ることができたカミさんはそれ以降は同じことを言われるものの「しまっていませんか」と返して引き出しを探しよう促すことで言い争いはなくなった。しかし父はカミさんのことを「俺の貯金を奪う者」「信用できない」認定しておりおのずから家の中での会話は最小限となりカミさんも2階の部屋に閉じこもるようになってしまった。

衝突:息子との衝突はある意味決定打となった。発端は介護ベッドの位置を直したいと思った父の無理な命令(依頼ではなく命令)である。大学から帰宅した息子に対しベッドの位置を直すように命令。この時点で息子はすでに頭に来ていたと思われる。介護ベッドは重く一人では動かせない故、そのことを説明すると「若いんだからできるだろ」「簡単だろ」と思い通りにならないことでヒートアップしてしまったようである。感情的になった父の言い方に息子も耐えられず息子も息子で感情的に応酬。かなりの大声で喧嘩状態だったようである。私の帰宅後、顛末を双方から聞き取り。息子には父の認知症のことを改めて説明し理解を求める。また父とは基本的に関わらないように何かあれば私にメールするよう話をする。息子も手が出そうなのを我慢できないから関わりたくないと言うので距離を取らせるようにする。父は父で息子の子ことを障碍者扱いする始末。息子がアスペルガー症候群の診断を幼少期に受けており現在も療育センターに通院していることは知っているのに「これだから障碍者とは一緒に住みたくないんだ。独り暮らしに戻るから不動産屋へ連れていけ」と騒ぐ。この一言を聞いた私は、早々に在宅介護の破綻を認識し次の段階を考えるに至るのである。

 

これ以降、父の口癖は「コンビニへ連れていけ」「郵便局へ連れていけ」「高円寺(の不動産屋)へ連れていけ」「タクシーを呼べ」になる。